数ある資格の中で、最も使用されるものと言えばTOEICでしょう。
就活ではもちろん、最近では大学入試の外部試験認定にも使用されたり、大学院試験の英語の科目を全てTOEICのスコアで判断する大学が増えてきたりなど、人生における重要な局面でのTOEICスコア提示が必須になってきました。
これらの疑問を持っている方のために、この記事ではそれぞれの立場でどれくらいのTOEICスコアが必要かについてまとめました。
TOEICとはどのような試験?
それぞれの立場でどれくらいのTOEICスコアが必要かの前に、TOEICがどのような試験なのかを軽く紹介します。(知っている方はスキップしてください)
TOEICとは、Test of English for International Communicationの頭文字を取った言葉で、ビジネスや日常生活での会話や文章のやり取りといった、英語力を測るためのテストです。
TOEICの大きな特徴は以下のような点です。
実は、ひとえにTOEICと言っても様々な試験があります。
TOEIC Programという全体の中に、2つのブランド(TOEIC Tests・TOEIC Bridge Tests)が存在し、さらにそれぞれの中に2種類ずつのジャンル(Listening&Reading・Speaking&Writing)が存在することで4技能のスキルを測定しています。
この中でも、世間一般でTOEICと言われるのはTOEIC TestsのListening&Readingのことで、多くの皆さんが受ける試験もこれになります。
TOEIC Bridge Testsは英語初心者~中級者を対象とした試験ですので、公的にはほとんど使用することはありません。
もちろん、他のTOEIC試験(特にTOEIC Tests Speaking&Writing)も十分評価されますが、大学入試の外部試験認定や、大学院試験の英語科目評価に使用されるのはTOEIC TestsのListening&Readingですし、履歴書やエントリーシートに書く機会が多いのもこちらの試験になります。
従って、以降この記事でTOEICと呼ぶものについては、TOEIC TestsのListening&Readingとします。
TOEICのスコアはどれくらい必要?
さて、ここからはそれぞれの立場によって、どのくらいのスコアがあれば良いのかについて紹介していきます。
高校生
最近では多くの私立大学だけではなく、千葉大学や広島大学などの国立大学でも英語の外部試験が利用できるようになりました。
TOEICのスコアを730点以上持っておけば、外部試験利用できるほとんどの大学では有利になると思われます。
従って、大学受験の外部試験利用のためにTOEICを受験する高校生が目指すべきTOEICスコアは730点以上。
しかし、外部試験にTOEICを利用する場合、ほとんどの大学がListening&ReadingだけでなくSpeaking&Writingの試験も必要となっています。
Listening&Readingの受験料が7810円(税込み)、 Speaking&Writingの受験料が10450円(税込み)なので、合計で18260円(税込み)。
これに対し、英検の場合TOEIC730点と同レベルとされている英検2級の受験料は8400円(税込み)です。
TOEICの場合だと英検の2倍近い費用も掛かりますし、L&RとS&Wの試験日程も別々なので手間も掛かります。
このことから、大学受験の英語外部試験利用へのTOEICはあまり向いていないので、英検を受験することをオススメします。
大学生(就活生の場合)
おそらく全年齢層の中で、最もTOEICのスコアを求められているのは就活生でしょう。
大学生の平均点は580点前後であることから、エントリーシートや履歴書に書いてアピール出来るTOEICスコアは600点~と言われています。
このことからも、どんなに英語が苦手な人でも大手企業に就職したいなら最低600点以上は目指すべきです。
では、具体的にどのくらいのスコアがどれだけ有利に就活することが出来るのでしょうか。
600点台
大学生のうちで600点台のスコアを保持している人は、少し英語が得意な大学生という印象です。
実際にIIBCのTOEIC公式ホームページから、第283回(2021年11月28日午後)のデータによると、595点~の人は上位51.1%。
大体受験者の半分より少し上という立ち位置ですね。
正直、600点くらいのスコアだと他の人との差があまりないので大きなアピールにはならないと思われますが、僅差での争いになった場合には明暗を分ける可能性があります。
英語の資格を使って就活で少しでも有利になろうと思っている人は、600点台後半以上は取っておいた方が良いかもしれません。
もちろん、ノー勉で600点取れるほどTOEICは甘い試験ではないですし、きちんと勉強した人でも600点台に届かない人は数多くいるので、しっかりと対策をしてから本番に臨みましょう。
700点台
700点台のスコアを保持している人は、かなり英語が得意な人という印象を持たれます。
実際にIIBCのTOEIC公式ホームページから、第283回(2021年11月28日午後)のデータによると、695点~の人は上位30.0%。
700点台のTOEICスコアを持っていると、ほとんどの企業のエントリーシートで足切りを食らうことは無くなります。
また、面接でもTOEICの話を強気に出していけるので、自分の計画性や努力できる面をアピールすることで、他の就活生よりもかなり有利に立ち回れると考えられます。
英語力の面だけで見ると、大手有名企業にも十分応募できる実力なので、自分に自信を持って就活できることも大きなメリットかもしれません。
就活生は、最終的には700点台のスコアを取ること目指して勉強をスタートするのが良さげ。
800点台~
大学生のうちでTOEIC800点以上保有している人は、企業側からも英語力に関しては全く文句が無い程の実力がある就活生であると言えます。
間違いなく就活では圧倒的有利に働くことでしょう。
実際、楽天のように、入社2週間前までにTOEIC800点以上のスコアを持っていないと内定が取り消しになったり、TOEICのスコアが目標点に届かないと減給になったりと、かなり英語力に重きを置いている会社も存在します。
IIBCのTOEIC公式ホームページから、第283回(2021年11月28日午後)のデータによると、795点~の人は上位13.9%。
このレベルになると、英語力としては超大手企業でも通用するようになり、また就職後も国際部門や海外駐在のような出世街道を歩める可能性が高いと考えられます。
ただ、TOEIC800点以上というスコアは、誰でも楽に取れるスコアではなく、人によっては何年も掛かるないしは一生取れないスコアかもしれません。
本気で800点台を目指している大学生は、就活のタイミングやスケジュールを前もって意識しておき、他の人がTOEICの勉強を始めるよりも早いうちから勉強をスタートしましょう。
大学生(大学院受験生の場合)
大学院受験生の大学生にとっても、TOEICのスコアは非常に重要になってきます。
近年では、英語の試験をTOEICのスコア提示だけに一本化する大学が増えており、スコアによって0~100点(他の点数範囲の場合も有り)の点数を付けて評価するといった手法が主流です。
さらに、大学院は現在通っている大学の院でなくとも受験することが可能なので、外部進学を考えている人にとっては、TOEICのスコアは点の稼ぎ所。
ここでしっかりとした点数を取っておいて、内部進学生との差を縮めておきたいところです。
自大学の院への進学の場合と、他大学の院への進学の場合、それぞれでどれくらいのTOEICスコアを保持しておけば良いのでしょうか。
自大学の院(内部進学)
まずは、ほとんどの大学院受験生が当てはまる自大学院への進学の場合です。
結論から言うと、自大学のレベルにもよりますが、自大学の平均TOEICスコアの50点上を取っていれば十分アドバンテージが稼げます。
理由としては大きく分けて次の3つです。
あくまでも国立大学におけるランクですが、私立大学の人も同じようなレベルの国立大学のスコアを参考にして考えてみてください。
他大学の院(外部進学)
通常、外部受験生は内部受験生と比べてかなりプラスアルファのTOEICスコアが要求されることになります。
理由としては単純で、「英語の試験くらいでしか内部進学生との差が縮めれない」からです。
内部受験生の、授業や研究で扱ったことのある内容から試験が出る可能性が高い+先輩の話や過去問の入手によって勉強がしやすい事と比べて、外部受験はかなりのハードル。
専門科目では内部受験生よりも点数が取れないことを考えると、TOEICのスコアで差を縮めておくしか勝ち筋がないと言っても過言ではありません。
そのため、他大学院への外部進学を考えている人は、目安として、その大学の平均TOEICスコアの100~150点上を目標にするのがほぼマスト。
内部受験・外部受験に限らず、早めにTOEICスコアを保持しておくことで、ライバル達が大学院試験も間近に専門科目もTOEICも勉強している中で、自分は専門科目に集中出来ます。
どうせやらなきゃいけないので、出来るだけ早めから取り掛かりましょう。
社会人
転職を目指す社会人の方も、ほとんどの場合で転職時にTOEICスコアの提出が求められます。
もちろん、転職をする業種や企業などによっても必要とされるスコアには差があると思いますが、今回は年代別で求められるスコアの目安を紹介します。
20代:600点前後
20代のうちに転職を考えている人が、企業から求められるTOEICスコアは600点前後くらいです。
他の年代と違って、そこまで高いスコアが要求されるわけではない理由としては、以下のようなことが考えられます。
もちろん、能力が高く自分のキャリアアップのために転職を考えている20代の人は例外的にかなりのスコアを要求されるかもしれません。
しかし、20代で転職を考えているの人の場合、
「新卒で入った会社が自分に合わなかった」
「自分のしたい事ではなかった」
といった理由で転職を考えている人が多いので、そこまで高い意識を持って転職を目指している人の割割合は高くないと考えられます。
これらのことから、20代で転職を考えている人はTOEIC600点を目指しましょう。
30代:700~
30代の人が転職をする場合に求められているTOEICスコアは、700点前後です。
20代と違い、社会人を10年前後経験しているため、企業側も即戦力として考えている場合が多い年代のため、20代と比べて割高になっていると考えられます。
また、将来的に管理職以上を目指す場合には、普通の人よりも多くの点数を取得しておく必要があります。
40代以降:750~
40代以降の転職となると、TOEICのスコア的にもかなりハードルが上がります。
理由としては以下のことが考えられます。
これらのことから、企業側もかなりのハードルを設けて採用を決めると考えられます。
最低でも750以上、もしくは800点あっても安心できないレベルかもしれません。
また、育成年代の20代と違いTOEICのスコアはもちろん、実際に使える英語力が無いと実践では一切役に立ちません。
このことからも、英語を使ってビジネスが出来るところを目指して英語学習に励みましょう。
また、今回紹介した転職でのTOEICスコアの目安ですが、あくまで日系企業での基準です。
外資系企業に転職を考えている人はこの基準よりもさらに高いTOEICスコア・英語力が要求されてくるのでお気を付けください。
TOEICを受験する際の注意点
ここで、TOEICを受験する際の注意点があります。
それは、TOEIC-IPテストではなく、TOEIC公開テストを受験すること。
TOEICは公開テストのほかにも、職場や大学が主催しているIPテストというものがあります。
この記事を読んでくれている皆さんに注意してほしいのが、IPテストのスコアは使用できない場合があるということです。
使用出来ないのは次のような場合です。
IPテストは、公開テストと比べて受験料が安いことや、結果がすぐ分かるというメリットもありますが、発行されるのは公式認定証ではなくスコアシートです。
大学受験・大学院試を始め、公式認定証以外は受け付けない場合があるので、受験料は高いですが必ず公開テストを受験しましょう。
効率的良くスコアアップ出来るTOEICの勉強法は?
ここまで、高校生・大学生・社会人とそれぞれの立場でどれくらいのTOEICスコアが必要なのかについてまとめました。
「でも、具体的にはどうやってTOEICの勉強をすれば良いの?」
「勉強しても全然スコアが上がらない…」
このような悩みを持っている人は決して少なくありません。
実際に僕自身も、周りの友人が勉強しても勉強してもスコアが上がらずに落ち込んでいるところを何度も見てきました。
また、受験にしろ就活にしろ、スコアを取得しないといけない日までに時間やお金の限りがありますよね。
「効率的・効果的にTOEICのスコアを伸ばしたい!」
このように効率を重視している方は、僕がこちらの記事で書いた勉強方法を実践し、継続出来れば短期間でスコアアップ出来ると思います。
ぜひこちらの記事の勉強法を参考にしてみてください。
「TOEICのスコアはどれくらい必要?」まとめ
今回は、それぞれの立場においてTOEICスコアがどのくらい必要なのかについてまとめました。
TOEICは持っておくだけで価値のある資格ですし、英語学習を死ぬ気で頑張って人生変えた人もTwitter中心にたくさん見ています。
ぜひこの記事を読んでくれた方には、TOEICで苦労しないように早め早めで行動してみてください。
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